水配管の設計・施工(1)
水配管の設計・施工(1)

[例題15]

冷温水配管に関する次の(a)~(e)の記述のうち、最も不適当なものの
みの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

(a)開放回路方式では、循環水が空気と接するため腐食が起こりやすいので、
   水処理装置などを考慮する。
(b)2コイル4管方式は、冷水と温水が分離されているので、3管方式と
   異なり両配管系間の圧力制御の問題がない。
(c)密閉配管系に循環ポンプと膨張タンクを設置した場合、運転中の配管
   内の圧力分布は、膨張タンクの接続位置の影響を受けない。
(d)定流量弁は、前後の圧力差がある一定の範囲内であれば、常に所定の
   流量を確保できるが、騒音を発生する場合もある。
(e)水温が高くなると、水温に相当する飽和蒸気圧が高くなり、ポンプの
   有効吸込みヘッド(NPSH)は増加する。

  (イ) (a)と(c)
  (ロ) (a)と(d)
  (ハ) (b)と(d)
  (ニ) (b)と(e)
  (ホ) (c)と(e)

[例題 15] 解答


[例題16]

図のような温水配管系において、次の条件を用いて算出した(a)及び(b)
の数値として、最も適当なもののみの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

条件
1.配管の局部抵抗を含む相当長さ
      A~B間 100m
      B~C間 30m
      C~A間 120m
2.配管の単位摩擦損失   200Pa/m
3.温水ボイラの抵抗 12kPa
4.放熱器の抵抗 8kPa
5.膨張間の接続点Aは、ポンプ吸込み側直前とし、相当長さは、0mとする。
6.ポンプの揚程は、余裕を見込まないこととする。

但し、1mAq=10kPaとする。
(a)ポンプの揚程(m)
(b)運転中のC点の管内圧力(kPa)

  (a) (b)
(イ)30
(ロ)54
(ハ)68
(ニ)1054
(ホ)1068


 圧力分布線図(開放膨張タンク方式)

[例題 16] 解答


[例題17]

ポンプと水配管に関する次の(a)~(e)の記述のうち、最も不適当な
もののみの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

(a)ポンプのキャビテーションとは、羽根車入口部の静圧が、その液体
    温度に相当する飽和蒸気圧力以下になった場合に気泡を発生する現
    象で、振動や騒音を発生したり侵食を引き起こす。
(b)渦巻ポンプは、締め切り揚程が比較的低く、ポンプ効率も高いが、
    高効率の水量範囲は、狭い。
(c)水温が高くなると、その水温に相当する飽和蒸気圧力が高くなり、
    ポンプの有効吸込みヘッド(NPSH)は減少する。
(d)ポンプの軸動力は、ポンプの吐出し量、全揚程、流体の比重により
    決定される。
(e)片吸込み渦巻ポンプの軸受部には、流体の漏れや空気の侵入を防ぐ
    ために、グランドパッキンやメカニカルシールが用いられる。

  (イ) (a)と(c)
  (ロ) (a)と(d)
  (ハ) (b)と(d)
  (ニ) (b)と(e)
  (ホ) (c)と(e)

[例題 17] 解答


[例題18]

冷温水配管に関する次の(a)~(e)の記述のうち、最も不適当なもの
のみの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

(a)開放式膨張タンクの接続箇所をポンプの吐出し側とする場合は、
    ポンプの運転時に空気の吸込みやキャビテーションを起こさないよう
    に、膨張タンクの取り付け高さに注意する必要がある。
(b)冷温水同時供給方式は、負荷系の配管に常時冷水及び温水を供給す
    る方式で、四管式がよく用いられる。
(c)圧力保持弁は、開放回路の還水管に設置し、ポンプ停止時は全開と
    なり、還水管内の水を落水させる弁である。
(d)ポンプ停止時の水撃防止には、急閉逆止め弁や緩閉逆止め弁などが
    用いられる。
(e)循環水の温度差を大きくとる方式は、循環水量や二次側機器コイル
    列数の低減に有効である。

(イ) (a)と(c) (ロ) (a)と(d) (ハ) (b)と(d) (ニ) (b)と(e) (ホ) (c)と(e)

[例題 18] 解答


[例題19]

図のようなダイヤフラム密閉式膨張タンクを使用した温水配管系において、
次の条件を用いて算出した(a)及び(b)の数値として、最も適当なも
ののみの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

条件

1.配管の局部抵抗を含む相当長さ
     A~B間        50m
  B~C間        50m
  C~A間        100m
2.配管の単位摩擦損失          300Pa/m
3.温水ボイラの抵抗            20kPa
4.空調機コイルの抵抗          40kPa
5.膨張タンクの使用圧力        150kPa
6.ポンプの揚程は、余裕を見込まないものとする。
7.A点は、ポンプ吐出し側直後とし、 ポンプとA点までの相当長は0mとする。

但し、1mAq=10kPaとする。
(a)ポンプの揚程(m)
(b)配管系内の最高使用圧力(kPa)

  (a) (b)
(イ) 12 300
(ロ) 12 340
(ハ) 12 370
(ニ) 17 390
(ホ) 17 420

[例題 19] 解答


 [例題20]

冷温水配管に関する次の(a)~(e)の記述のうち、最も不適当なもの
     のみの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

(a)開放回路方式では、循環水が空気に接するため腐食が起こりやすい
     ので、水処理装置などを考慮する。
(b)蓄熱方式における還水法としては、落下水のエネルギーをポンプ動
     力の一部として回収利用する方法がある。
(c)水撃現象が起こる原因は、水が圧縮性であることと水の慣性力によ
     るものである。
(d)配管内の腐食の進行は、流速とも関連し、流速が大きいと浸食によ
     る腐食が進行する恐れがある。
(e)配管系の抵抗を均一化する手法としては、ダイレクトリターン方式
     がある。

  (イ) (a)と(c)
  (ロ) (a)と(d)
  (ハ) (b)と(d)
  (ニ) (b)と(e)
  (ホ) (c)と(e)

[例題 20] 解答


[例題21]

冷却塔・冷却水配管に関する次の(a)~(e)の記述のうち、最も不適
当なもののみの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

(a)密閉式冷却塔は、循環水が大気開放とならず、蒸発潜熱を冷却に利
     用しないため、冷却塔補給水は不要である。
(b)開放式冷却塔を利用する場合、冷却水ポンプは、冷却塔の水位より
     低い位置に設ける。
(c)冷却水の温度制御の方法の一つとして、自動三方弁による冷却塔バイ
     パス制御がある。
(d)冷却塔の設置位置が高所で、十分な静水頭が凝縮器にかかっている
     場合には、冷却水ポンプの吐出し側に凝縮器を設置することは、凝縮器の
     耐圧の点で有利となる。
(e)開放式冷却塔が凝縮器より下にある場合には、冷却水ポンプの運転
     を停止した時に凝縮機内の水が落水しないように配慮する必要がある。

  (イ) (a)と(c)
  (ロ) (a)と(d)
  (ハ) (b)と(d)
  (ニ) (b)と(e)
  (ホ) (c)と(e)

[例題 21] 解答


   [例題22]

図のような冷水配管系において、次の条件を用いて算出した(a)及び(b)
の数値として、最も適当なもののみの組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

条件
1.機器の抵抗 冷凍機           50kPa
                      空気調和機コイル       30kPa
2.自動三方弁の抵抗            30kPa
3.配管の単位摩擦損失          300Pa/m
4.配管の局部抵抗(自動三方弁は除く)を含む相当長さ 
               A~B間           50m
               B~C間          150m
               C~A間          100m
5.冷水ポンプの揚程は、余裕を見込まないものとする。
6.空気調和機コイルの使用圧力(C点の運転圧力)は、800kPa以下とする。
7.システム運転時の冷水ポンプ水量及び揚程の変化は、ないものとする。

但し、1mAq=10kPaとする。
  (a)冷水ポンプの揚程(m)
  (b)空気調和機コイルの使用圧力を基準とした、膨張水槽の取付け

高さ(図中のhの高さ)の許容最大値(m)

 (a)(b)
(イ) 17
(ロ) 17 11
(ハ) 17 20
(ニ) 20
(ホ) 20 11

[例題 22] 解答


[例題23]

水配管に関する次の(a)~(e)の記述のうち、最も不適当なもののみ
の組合せは(イ)~(ホ)のうちどれか。

(a)ダイヤフラム密閉式膨張タンクの最低必要圧力は、装置の最高所に
    おいても常に正圧となるように選定する。
(b)蓄熱槽を設置した開放回路方式においては、蓄熱槽の有効利用のために、
    負荷側の容量制御には二方弁を使用するなど往き還り温度差
    の確保に配慮する。
(c)ポンプのキャビテーショんを防止するには、常にポンプの有効NPSH
     (有効吸込みヘッド)をポンプのNPSHより小さくすることが必要である。
(d)配管口径の選定では、一般に屋内配管の管内流速を2.0m/s以下とし、
    等摩擦法が多く用いられている。
(e)ベローズ形伸縮継手の直感部固定点への反力は、伸縮継手の伸縮量
    により決定され、伸縮継手内の流体圧力には無関係である。

(イ) (a)と(c)
(ロ) (a)と(d)
(ハ) (b)と(d)
(ニ) (b)と(e)
(ホ) (c)と(e)

[例題 23] 解答