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再生可能エネルギーの固定価格買取制度
                             


エネルギー資源が少ない日本では,石油,石炭,天然ガスなどの化石燃料は,ほとんど輸入に頼っているのが現状で, エネルギー自給率はわずか約4 %である1).そこで,一度利用しても再生が可能で,発電時に二酸化炭素を ほとんど排出しない再生可能エネルギーが最近特に注目されている.しかしながら,再生可能エネルギーはコストがかかるなどの 理由により普及が進んでいないため,その普及と拡大を目的に,2012 年7 月1 日から「再生可能エネルギーの固定価格 買取制度:FIT(= Feed-in Tariff)」がスタートした.
固定価格買取制度の対象となる,太陽光,風力,水力,地熱,バイオマスによって発電した電力を,電気事業者に一定の期間・価格で買い取ることを義務付け,再生可能エネルギーを買い取る費用を,電気を利用する消費者が使用量に 応じて「賦課金」という形で電気料金の一部として負担するものである.法の施行後3 年間は,集中的な再生可能エネルギーの利用拡大を図るために,再生可能エネルギー電気供給者の利潤に特に配慮するとされている.
電気事業者が買い取る価格や期間については,調達価格算定委員会が審議を行い,その意見を尊重して毎年度経済産 業大臣が決めることになっているが,将来的な買取価格下落や賦課金の上昇も注視すべき点である.2012 年度の具体的 な買取価格については,資源エネルギー庁のHP 2)を参照して頂きたい.
本制度の活用により,再生可能エネルギーに関連する産業の活性化と,それに伴う雇用の創出など,経済的効果も期 待されいる.

再生可能エネルギーの固定価格買取制度のイメージ図3)

参考資料
1) 政府広報オンライン http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201110/4.html
2) 資源エネルギー庁 http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/kakaku.html
3) 中国電力㈱ http://www.energia.co.jp/kaitori/index.html

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