内面螺旋溝付管を用いた蒸発器の過度伝熱特性に関する実験 −冷媒流量をステップ的に変化させた場合
内面螺旋溝付管を用いた蒸発器の過度伝熱特性に関する実験 −冷媒流量をステップ的に変化させた場合
小山繁、井上順広、藤井哲

本報では、R22を用いた蒸気圧縮式ヒートポンプシステムの 蒸発器の非定常伝熱特性を、冷媒流量がステップ的に変化させた 場合について実験的に検討したものである。試験蒸発器は二重管式 熱交換器で冷媒が内管内を加熱水が環状部を対向流形式で流れる。 伝熱管は銅製の内面螺旋溝付管で、外径9.52mm,平均内径8.72mmである。 実験は凝縮機および蒸発器の過熱水の温度・流量並びに圧縮機の回転数を一定とし 、膨張弁によって冷媒流量を変化させて行った。そして以下の結果が得られた。 (1)冷媒の流動様式の過渡的変化を模式的に示した。(2)蒸発器の入口冷媒流量、 冷媒圧力、伝熱面温度、加熱水温度を測定し、それらの時間的変化の特徴を明らかに した。(3)加熱水の温度と流量、蒸発器入口冷媒流量および冷媒圧力の測定値を用いて 加熱水のエネルギ保存の式、冷媒の質量およびエネルギ保存の式を解き、冷媒への熱伝導率Q ,蒸発熱伝達係数α、クオリティχ、ボイド率ξ、平均密度ρmおよび冷媒流量の 時間的変化を求めた。(4)冷媒流量の過渡的変化に対応して、蒸発器内に 存在する冷媒質量が変化することを示した。(5)冷媒流量を減少させた場合、 蒸発伝熱区間において、約10〜20秒後にQ,χ,ξが極少値を取り、それに対応して ρmが極大値をとることを示した。(6)冷媒流量を増加させた場合、伝熱面温度、加熱 水温度および伝熱量の変化が現れ始める時刻は、より上流のセクションほど早い。(7) 冷媒流量を増加させた場合に蒸発器が定常となるのに要する時間は 冷媒流量を減少させた場合それに比して長い。