細胞の解凍過程におけるミクロ挙動と障害
細胞の解凍過程におけるミクロ挙動と障害
多田幸生,百生 登,蒋 蓉,林勇二郎

  生体細胞を生存状態を損なうことなく長期間保存する方法として 、凍結保存は最も有望であると考えられている。原理的には、生体内に存在する 水を凍結させ、低温化と活性水分の低減により生体高分子の生化学反応を抑制 するものであるが、同時に凍結を解除(解凍)による蘇生が必須の条件となる。 本報は小麦のプロトプラストの凍結・解凍実験を行い、解凍による細胞の吸水・ 回復および細胞内氷晶の融解などのミクロ挙動と細胞の生存状態との関連を実験 的に追求したものである。
その結果、解凍における昇温速度が大きい場合ほど浸透圧ストレスなどによる 細胞膜の破裂あるいは膨潤の障害を起こしやすく、生残率が低下することが明らかに された。