著者らは,これまで,界面活性剤による吸収器の性能向上の 機構解明と,その添加効果を吸収器設計に生かせるような指針 の確立を目的に,臭化リチウム水溶液の静止液膜と吸収器内を 流下する流下液膜を対象に,実験と理論の両面より検討を進め てきた. 本論文では,臭化リチウム水溶液の静止薄液膜を対象 に,マランゴニ対流の発生から成長の課程を,ミリ秒の オーダーで,溶液表面ならびに液膜内部の流動の可視化観察, ならびに複数のごく細熱電対を用いた溶液表面温度の測定から 調べ,マランゴニ対流の発生・成長機構と,マランゴニ対流に よる吸収促進を考慮した疑似拡散係数を用いた吸収促進効果の 評価について検討した結果を報告する.