細氷の貯蔵が流動水の透過率に及ぼす影響
細氷の貯蔵が流動水の透過率に及ぼす影響
大河誠司,斎藤彬夫,前田 祐,宝積 勉,熊野寛之  

本研究の目的は,細氷の結晶形態の変化および氷/水の混合による多孔質体の透過率に 及ぼす影響を検討することにある.氷の種類と氷同士の付着現象の関係も検討した. 実験には,様々な大きさの削り氷を細氷として使用した.貯蔵の前後における比表面積の 測定も行った.その結果,0℃の氷水内に24時間貯蔵することにより,細氷の結晶形態が 変化することがわかった.つまり,細氷の形は貯蔵することにより角が取れて丸みを帯び, さらに表面は滑らかになること,またそれに伴い比表面積も減少することがわかった. 得られた比表面積を用い,コズニー・カルマンの式からコズニー定数を算出した. その結果,細氷を貯蔵することにより,コズニー定数が減少し,滑らかな球形に用いられる 定数の値とほぼ一致することがわかった.またこの結果は,空隙率および細氷の大きさには 無関係であった.したがって,角が取れて表面も滑らかになることが比表面積およびコズニ ー定数を減少させ,透過率を上昇させる原因となることを明らかとした.