魚類筋原繊維タンパク質の冷凍変性に及ぼすエビ頭部タンパク質加水分解物の影響
魚類筋原繊維タンパク質の冷凍変性に及ぼすエビ頭部タンパク質加水分解物の影響
Ruttanapornvareesakul Yaowalux, 原 研治,長富 潔,大迫一史,Kongpun Orawan, 野崎 征宣

   水産加工場廃棄物である3種のエビ頭部の高度有効利用を目的として、それらのタンパク質加水分解物(SHPH) を調製した。SHPHをワニエソ筋原繊維に5%添加し、凍結貯蔵(−25℃)に伴う筋原繊維の冷凍変性と水の状態に及ぼすSHPH の影響を、不凍水量とCa-ATPase活性を測定して、グルタミン酸ナトリウムと比較検討した。SHPH添加筋原繊維の不凍水量は、凍結貯蔵120日間を通して、対照より高かった。SHPH添加筋原繊維のCa-ATPase活性の変性は対照より小さかったが、SHPHの効果はグルタミン酸ナトリウムより低かった。SHPHの冷凍変性抑制効果はエビの種類により相違がなかった。不凍水量とCa-ATPase活性の間には、高い相関が認められた。これらのことから、SHPHは筋原繊維周囲の水和水を安定化することにより、凍蔵中におげる筋原繊維の冷凍変性を抑制していることが示唆された。

和文キーワード
凍結貯蔵、不凍水、凍結変性、エビ廃棄物、タンパク質加水分解物、Ca-ATPase活性、筋原繊維