近赤外分光イメージングによる生体材料内の3次元氷結晶構造の可視化
近赤外分光イメージングによる生体材料内の3次元氷結晶構造の可視化
都 甲洙, 蔦 瑞樹, 杉山 純一, 上野 茂昭, 相良泰行

   生体材料の凍結プロセスにおいて材料内に形成される氷結晶を3次元的に観察するために, マイクロスライサスペクトルイメージングシステム(Micro Slicer Spectral Image System :MSSIS)を 構築した。MSSISは近赤外照明部・分光観察部・マイクロスライサ部から構成される.
MSSISにより水の吸収スペクトルは965nmで,また,氷結晶の吸光ピークは1,025nmであることが確認された. 供試材料に希薄溶液系材料および生牛肉材料選び, 1,025nmにおけるそれぞれの分光画像を撮像した. 得られた断面画像の輝度は氷結晶部分が低く,濃縮された寒天や氷結晶によって 破壊された筋繊維細胞部分は高く観察され,氷結晶の可視化が可能となった. モデル試料の氷結晶の平均面積は,6,253μm2で,相当楕円長軸が111μmであり,短軸が62μmであった. 3次元氷結晶構造は筋繊維の構造に拘束されて生成していくことが観察された.
これらの結果から,凍結速度が氷晶の立体的サイズやその材料内分布に及ぼす影響を定量的に計測する ツールとして本システムが有効であることが検証された.


Key words :
Ice crystal, 3 Dimensional Measurement, Near-infrared spectroscopy,         Micro-Slicer, Visualization