DSC を用いた凍結サバの低温切断温度の推定
DSC を用いた凍結サバの低温切断温度の推定
岡本清, 羽倉義雄, 鈴木寛一

   マサバの低温切断に適した凍結温度を予測するため,DSC測定により切断開始温度と脆化温度を測定し,
確認のためマサバミンチ肉の曲げエネルギーを低温範囲で測定した.
マサバミンチ肉のDSC曲線には2つのガラス転移様の変化(高温側:−63〜−77℃,低温側:−96〜−112℃)が確認された.
このことから,切断開始温度は−63℃であり,脆化による曲げエネルギーの低下は−77℃と−112℃付近に現われると予測した.
確認のためマサバミンチ肉を試料に用いて3点曲げ切断試験を行った.−40℃〜−60℃で試料は固体化していたが, 3点曲げを与えると塑性変形が生じ切断に至らず,−70℃以下で切断が可能であった.
また−70℃〜−90℃と−100℃〜−120℃において曲げエネルギーの低下すなわち脆化が確認できた.
本研究の結果,マサバミンチ肉に関してDSC測定で予測した低温での物性変化は,3点曲げ試験の結果と比較的良好に一致し, DSC測定による適切な低温切断温度の予測方法を,実際の魚に対し適用可能であることが示唆された.

キーワード:
冷凍魚肉,DSC,3点曲げ試験,サバ,ガラス転移