パン生地中における気泡形状の計測法
| 前田竜郎,都 甲洙,杉山純一,相良泰行,蔦 瑞樹
| 製パンミキシングプロセスを解明するために,マイクロスライサ画像処理システム(MSIPS)を用い,パン生地中の気泡を観察し,その大きさおよび形状を定量的に計測する方法を開発した.供試材料は,代表的な食パンミキシングの4ステージで行い,ファイナルステージのサンプルを採取した.また,凍結保存によるパン気泡形状の変化を把握するために未冷凍パン生地および冷凍パン(−30℃,3ヶ月)生地を用いて,それぞれの気泡形状を比較した.MSIPSより得られた連続2次元断面画像上における気泡の界面は,切削断面対して凹面として存在するため,CCDカメラにはピンぼけとして現れる.これによりパン生地中の気泡を識別した.未冷凍パン生地において計測した気泡数は910個であり,気泡の長軸は最大70.5μm ,最小0.4μmであった.また,気泡の長軸が10μm以下の気泡は全体の59%を占めた.冷凍パン生地において気泡数1,195個であり,気泡の長軸は最大32.7μm,最小0.9μmであった.また,長軸10μm以下の気泡が78%を占めた.冷凍パン生地と未冷凍パン生地における気泡の相当楕円長軸長さの平均は,未冷凍パン生地が11.1μmで,冷凍パン生地が7.4μmであり,冷凍パン生地の気泡が未冷凍パン生地より小さいことが分かった. これらの結果から,製パンのミキシングプロセスにおいてパン生地中のパン気泡分布を把握するツールとして本システムが有効であることが検証された.
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