空調機用熱交換器内でのミストの発生
空調機用熱交換器内でのミストの発生
石原勲,松本亮介,北本拓造,吉岡俊,柴田豊

   空調機の冷房運転時において,空気条件によっては熱交換器内でミスト(霧)が発生する場合が ある.熱交換器から噴出されたミストは,視覚的に不快感を与えたりするばかりでなく,それが壁 面に付着して汚れやかびの発生を招き,健康上の障害を惹起する可能性がある. ミスト発生時には必ずある程度の過飽和が必要で,また必要とされる過飽和度は空気流に含まれ る異核(凝縮核)の大きさと量に関係する.本文は空調機の熱交換器を模擬した平行平板流路内の 湿り空気の層流に対して,凝縮核の直径による過飽和を考慮して数値解析行い,空気の温度,湿度, 流速および凝縮核の大きさによるミストの発生域と量および熱・物質伝達の影響を調べた.その際, 基準条件を次のように設定して計算した;流路間隔:1mm,流路長さ:24mm,流入空気温度と湿度: 26℃,90%,伝熱面温度:5℃.
その結果,以下の結論が得られた.
(1)ミストは流路入り口から発生し,ミスト発生領域は急激に拡大する.その下流域では,水蒸気量 の減少のために発生量が急激に少なくなる.
(2)流路が狭い場合,ミストの発生は流路の入り口部分に限られる.
(3)流入水蒸気量の約10%がミストに変わる.
(4)ミスト発生によって,熱伝達率は増加し,物質伝達率は低下する.
(5)凝縮核の直径が非常に小さくなると,ミストは発生しなくなる.
(6)実験結果との比較から,本解析が有効であることが認められた.

キーワード:
ミスト発生,湿り空気,過飽和,熱交換器,空調機,凝縮核