特集「次世代の高品質凍結食品を目指す新技術」
特集
「次世代の高品質凍結食品を目指す新技術」の発行にあたって
本特集チーフエディター  渡辺 学

  元来冷凍技術は,食品の保存を主たる目的として発展を遂げてきましたが, いまや凍結食品の品質に対する消費者の要求は極めて高いものとなっています. 微生物由来の腐敗・変敗の抑止は言うに及ばず,栄養成分・味覚成分・色調などの化学的変化はもちろん, 最近では,物理的変化に起因する食感の変化までをも,最小限に抑えることが求められるようになりました. かかる状況は,冷凍技術に対してより一層の高度化を求めるものであり, 生体由来の材料としての食品に関する深い理解と,その大部分を構成する水と氷の特性の解明, 実際の食品を対象とした高品質冷凍技術と品質の定量評価手法の開発,さらに冷凍装置や流通・ 輸送などにおける技術的ブレークスルーが要求されています.
 本特集は,このような背景に鑑み,食品冷凍に関する広範囲にわたる研究テーマの中から, 高品質な凍結食品の実現に大きく貢献しうる研究論文を集成することにより,次世代の食品冷凍技術の 目指すべき方向を模索することを目的と致しました.
 以上の趣旨に基づいて論文を公募したところ,上記目的に合致する多くの優れた論文のご投稿を頂き, 公正かつ厳格な審査を経て,ここに特集として掲載の運びとなりました.多大なるご尽力を賜りました著者, エディター,校閲委員の皆様に深甚なる謝意を表します.
 また,本特集を契機として,食品関連分野の論文投稿がより活発化し, 日本冷凍空調学会論文集が一層充実した内容となりますよう,宜しくご助力の程をお願い申し上げます.