特集号「霜・雪・氷に関わる技術の進展」の発行にあたって
  2008年
 
日本冷凍空調学会論文集
 Vol.25,No.2 
                             

 
 
特集号「霜・雪・氷に関わる技術の進展」の発行にあたって

特集号編集委員会 チーフエディター 石原 勲

 
 霜・雪・氷は自然界で起こる現象でありますが,冷凍機・空調機などによる人為的な低温環境の生成に伴っても遭遇する現象です.本特集号は低温に関係する広範な分野から研究論文を募集いたしまして,下記のように20編の投稿があり各分野における関心の高さと深さを示しているものと思われます.論文の内容を分類しますと,次のようになります. 着霜現象は伝熱を阻害するので,着霜防止と適切な除霜が必要で,被冷凍物の品質保持と省エネルギーの研究/製氷の高能率化や,また氷を低温蓄冷として広く利用されエネルギーの有効利用の研究/特別な機能を持たせた氷の開発や,酸性雪の植生への影響の研究など.
 (1)
 
自然対流下での霜をモデル化して,その成長を数値的に解析(1編)
および着霜時の熱伝達(1編)
 (2)
 
強制対流での平板上の着霜分布の汎用コードによる解析(1編)
およびターボエンジンの空気冷却用熱交換器の着霜防止技術の開発(1編)
 (3)
 
霜層厚さの評価の提案(1編)と
低温環境下の霜層の物性値(1編)
 (4)
 
冷蔵庫除霜シミュレーション手法の開発(1編)と
ショーケースの除霜キャンセル機能の開発(1編)
 (5)
 
 
水中の水平管周りの相変化伝熱特性(1編),
減圧蒸発を用いた製氷システムの性能評価(1編),
低温プラズマを利用したオゾン含有氷の創製(1編),低温空気による水分含有鋳物砂型の凍結成型特性(1編)などの氷成長と製造の研究
 (6)
 
界面活性剤を添加した氷スラリーにおけるバキューム製氷特性(1編)
および界面活性剤溶液内の氷微粒子成長特性(1編)
 (7)
 
樹脂細管マットを用いた氷潜熱蓄熱槽の凝固・融解特性に関する実験的検討(1編)
およびその数値解析による検討(1編)
 (8)
 
プロピレングリコール水溶液による氷水直接搬送冷却システムの実用化研究(1編)
 (9)インピーダンス計測による電解質水溶液の共晶凝固判別(1編)
(10)尿素-水混合物質の連続結晶生成(1編)
(11)凍結過程に存在する酸性物質が植物細胞の生存に及ぼす影響(1編)

 
これらの論文は,現象の複雑さや計測上の困難さのために詳細な検討が残されていた課題,実用に向けて不可欠な技術上の課題,冷凍空調システムの更なる高性能化・省エネ化・省資源化の推進のための重要な課題,環境保全に関する新たな課題などの解決のために果敢に取り組んで得られた成果であります. 本特集号の論文は,現時点での最新の研究情報の一端を提供するものであり,会員各位の研究・技術開発にご利用頂くとともに,更なる進展と新たな技術分野の開拓の契機とれば幸いです. 末筆ですが,本特集号に関心をもって投稿いただきました著者,ならびにご協力とご尽力を頂きました校閲者,エディターおよび日本冷凍学会事務局の皆様に,厚く感謝の意を表します.