冬の極地魚の血液中には水の凍結を防止する糖タンパク質(AFGP) が存在し、凍死から身を護っているAFGPはユニークな親水性・疎水性立体構造を もち、氷の融点を変えることなく水の凍結温度を非束一的に降下させる。 その構造は、氷晶a軸面へのAFGPの吸着による氷晶成長阻害である。 一方、筆者らは、プロテアーゼ逆反応によってゼラチンのC末端にロイシンドデシル エステルを共有付加し、酵素修飾ゼラチン(EMG-12)を開発した。EMG-12は強い界面活性を 有し、氷晶核不活性化を通じて水の過冷却状態を安定化させる。このような天然および人工の タンパク質の構造と凍結防止機能の異同を論じ、これらの物質を不凍剤として利用することの 意義を考察する。