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 ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)  
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので古い内容や、当会の専門分野とは無関係な内容もあります。
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 ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)とは,モバイルコンピュータやスマートフォンのように携帯して必 要なときに取り出して使用するものではなく,「身につけられるさま,着用できるさま」の言葉どおり,メガネやアクセ サリーなどのように実際に身につけて持ち歩くことができるコンピュータのことである。ただし,従来の腕時計のよう な単純な電子機器は含まず,それ自身がコンピュータであるものが該当する.別のコンピュータやスマートフォンなど の周辺機器として連携し,データ蓄積や解析ができるものは「ウェアラブル機器」や「ウェアラブル端末」と呼ばれ,こ れらはユビキタスコンピューティングにおいてエンドユーザーが直接接する端末として大きな意味を持っている. 「ウェアラブル機器」は,実用性の点から必然的に小型・軽量化が求められ,腕時計のように普段から身につけること を可能としたリストバンドのようなものから,衣類に機能を持たせたものやヘッドマウントディスプレイ(HMD)のよ うな形のものまで,幅広く研究・提案されており,近年下記に示すような様々な種類の機器が発表されている.
 
・HMD 型,機能:写真,動画撮影,WEB 検索
・リストバンド型,機能:時計,カロリー計,歩数計
 
しかしHMD 型などは着用した場合,異様な風貌と見られる場合があるなどの課題もあり,着用に適したサイズまで の小型化,目立たない(あるいは逆に存在をアピールするファッション性の高い)デザインの研究が必要であるととも に,実使用に対しては容易な入力方法の提案や省電力・長時間動作などに対する継続的な改善も必要である.加えて長 時間身につける物であるため,低温やけどに至るような発熱の防止などの安全性に関わる点や直接肌に触れる部分が汗 で腐食しないなどの設計対応も重要な要素となっている.
さらに,コンピュータを身につけるだけでは,小さなコンピュータを持ち歩くのと変わらないことになるため,常に 身につけているという特徴を生かすことや各種センサを組み込むなどにより,下記に示したような応用技術への展開を していくことがポイントとされている.
 
・利用者に対するリアルタイムの情報提供
 道案内・周辺情報,顔画像認識・判別による情報提供など
・利用者の状態情報の提供と記録
 行動や位置情報,ヘルスケア
 
上記の中でもヘルスケアへの適用が注目されており,24 時間装着することで,血圧・脈拍・血糖値や脳波などのヒュー マンセンサおよびデータ取得・送信などの役割を担うものとされていて,運動などの健康管理はもとより,今後増加す る高齢者の方々の介護や異常の早期発見など健康を『見守る』ものとして特に期待される.
 
参考資料
Wikipedia ウェアラブルコンピュータ