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  ドローン(Drone)  
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
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 2015(平成27)年4 月,首相官邸の屋上で微量の放射性物質を含む容器を搭載したド ローンが発見された.各種メディ アがニュースとして一斉に報じたため,ご存知の方も多いと思われる.この問題を受 けドローンの飛行ルールを定める ため,航空法の一部を改正する法案が2015(平成27)年9 月に成立し2015(平成27) 年12 月10 日に施行された.
 一般的にドローンとは諸説があるが,遠隔操作や自動操縦で飛行できる無人航空機の 総称と言われている.改正され た航空法の中でドローンが該当する無人航空機は,「航空の用に供することができる 飛行機,回転翼航空機,滑空機,飛 行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち,遠 隔操作または自動操縦(プログラ ムにより自動的に操縦を行うことをいう)により飛行させることができるもの」と定 義されている.
 今後,航空法の一部改正を受け,①空港周辺など航空機の航行の安全に影響を及ぼす おそれがある空域,②人または 家屋の密集している地域の上空において,重量200 g 以上のドローンを飛行させる場 合,国土交通大臣の許可が必要に なる.
 このように,日本ではドローンの取扱いに制限が設けられ,マイナス要素が大きいと 思われがちである.しかしなが ら,ドローンの活用にはたくさんのメリットがあり,ドローンを使用することで,こ れまで不可能なことが素早く安価 に行うことが可能となる.たとえば,災害現場などで人が簡単に立ち入ることのでき ないエリアの撮影が可能になり, ヘリコプターの代わりにドローンを使用することで安価に空撮を行うことが可能とな る.
 このような商用利用のドローン本体とドローンを使用したサービス市場の規模は,今 後,指数関数的に増加すると予 想され,2015(平成27)年時には約30 億円だが,2020(平成32)年には約200 億 円,2025(平成37)年には約440 億円と拡 大し,2030(平成42)年には1,000 億円を超えると言われている.商用利用のドロー ンが普及すると考えられる分野とし て,農林水産業,行政,巡視・点検,計測・観測,撮影,輸送・物流,危険区域作 業,アトラクションなどが挙げられ るが,ドローンを使用する場合,常に機体が墜落や衝突,行方不明となるリスクを伴 う.もし仮に墜落により第三者へ 怪我を負わせてしまった場合は損害賠償責任が発生し,機体が破損した場合は修理費 用,行方不明になった場合は探索 の費用が必要になる.
 今後,ドローンに関する法の整備が進み取扱いに関するガイドラインが作成され,損 害賠償などの保険サービスが充 実しリスク発生時の負担が軽減されることで,ドローンの商用利用がこれまで以上に 加速すると考えられる.
 参考資料
 新語時用語辞典「ドローン」,Wikipedia「ドローン」,日経BP クリーンテック研究所「世界ドローン総覧」,日本経済新聞.

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