最近気になる用語 34
リバースリターンとリバースモーゲージ 
 
学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので古い内容や、当会の専門分野とは無関係な内容もあります。
また、お問い合わせに対しては答えられませんのでご了承下さい。


   この二つの言葉は全く関係ないといえる。リバース(reverse)は「逆の」とか「逆にする」といった意味。 リバーシングバルブはヒートポンプで冷媒を逆方向に流れを変える「四方弁」(4-Way valveともいう)のことである。 リバースのつく用語では、水配管設計の「リバースリターン方式」というのがあり、空調設計の基礎を学んだひとには おなじみの用語であろう(下図の(b)逆還水法)。

 これは複数のファイルコイルからの冷温水の戻りを一旦共通管に落として、一番末端から折り返してチラー(ボイラ)に 戻す方式である。こうすると各機器への配管抵抗がほぼ均等になり、水量のバランスが取りやすい。
 ところで最近「リバースモーゲージ」という用語を新聞などで見かけるようになった。 これは簡単に言うと、ローンを借りて住宅を購入するのと逆のようなもので、ローンを返し終わった家屋敷を 担保(モーゲージ)にして、生活資金を年金方式で借りるのである。公的年金の支給額が少なくなるといわれる これからの日本では、年金を補完する有力な手段として、年金事業団も検討を始めたとか聞く。融資を受けて死亡した後は 担保になったその家屋敷は、融資する側のものとなり売却されることになる。融資額はどのくらいか?ある試算によると、 地価の上昇率を2.5%、金利5.5%として、4000万円の土地を担保にした場合、65歳からこの制度を利用すると生涯にわたって 月額98,000円の融資を受け取ることができるとのこと。地価が下落したら? という問題も当然生じるだろう。ともあれ、 やっと手に入れたマイホームを老後の生活のためにだんだん削っていく・・・・・アメリカでは既に行われているという この方式には、なんとなく「リバースリターン」というニュアンスも感じられる。
 昔から続いた日本の家族制度も崩壊しつつある今、「子孫のために美田を残す」という考えも捨てて、 このようなシステムが大胆に取り入れられる時代になったのかも知れない。

「最近気になる用語」
学会誌「冷凍」への掲載巻号一覧表

学会誌「冷凍」に掲載された記事を集めました。
当時の記事をそのまま掲載していますので古い内容や、当会の専門分野とは無関係な内容もあります。
また、お問い合わせに対しては答えられませんのでご了承下さい。