(1)遺伝子の仕組み (図1参照)
生物の体は細胞の集りから成り、その一つ一つの細胞の中に核があり、その
中にDNA(デオキシリボ核酸)という物質が折りたたまれ、ぎゅっと詰まっ
た染色体が入って、ここに遺伝子(genes)が存在する。これからひき伸ばし
たDNAは、はしごをねじらせた螺旋状の構造で、たて棒が糖都リン酸の2本の
長鎖で、横木の部分が2個の塩基でできている。遺伝情報(Genetic profile)は
この塩基部分にあって、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)
の4種類の塩基で、必ずAとT、GとCの組合せになっている。
タンパク質はアミノ酸がつながった分子で、塩基配列により次々につながって
タンパク質ができる。即ち種を越えた遺伝子組換えが可能なのはそのためである。
染色体の一揃いをゲノム(Genome)というが、「ヒトゲノム」には約30億対、
60億個の塩基がある。一方、遺伝子は10万個程度なので、一つの遺伝子に
数百~数万個の塩基が含まれている。即ち、塩基配列を全て解析し遺伝子機能を
解明しようというのが「ヒトゲノム計画」で、塩基配列については2001年までに
解明されるようだが、どこにどんな機能の遺伝子があるかの解明には
まだまだ時間がかかるとされている。
|  図1 細胞からDNAまで |