63.  口蹄疫  


  牛や豚、羊、山羊、イノシシなどの偶蹄類(ぐうているい)に感染するウイルス性の伝染病。 突然発熱してよだれが出るほか、口の中やひづめ、乳頭に水ほうができる。死に至ることもある。 食欲不振などの影響で、商品としての質がおちてしまう。
 人には感染せず、感染した動物の肉や牛乳を食べたり飲んだりしても健康への影響はない。 感染ルートは、唾液やたん、感染した動物からの生産物や汚染物など。効果的な治療法はなく、 家畜が感染した場合、蔓延を防ぐため殺処分される。
アジアやアフリカ、南米などで発生しているが、日本では1908年を最後に発生していなかった。 台湾では97年、4ヶ月で豚101万頭が感染、18万頭余りが死亡し、385万頭が処分された。日本による台湾からの食肉輸入禁止措置は なお続いている。
 平成12年3月25日、92年ぶりに宮崎市の肥育農家の牛から口蹄疫ウイルスが確認された。このウイルスは、アジア地域で広がっている ウイルスに近い種類だが新しい型だった。感染ルートははっきりしていない。
日本では、92年前に発生してから検疫に力を入れ、撲滅されていた。今回は海外から持ちこまれたと考えられ、 農水省は感染ルートの確認を急いでいる。また、隣の韓国でも、今年3月口蹄疫ウイルスの感染が見つかり、韓国からの偶蹄類の 輸入が禁止されている。

(一部朝日新聞より抜粋)
「冷凍」平成12年6月号 Vol.75 No.872