会長挨拶

会長
 

日本冷凍空調学会24代会長

齋藤 潔

Kiyoshi SAITO

 令和7年5月15日に開催されました通常総会および理事会でご推挙を賜り,令和7,8年度の会長という大役を拝命することとなりました.引き続き、学会の発展と冷凍・空調分野のさらなる進展のために尽力できることを大変光栄に存じますとともに、その責任の重さを改めて実感しております。
 本学会は、本年、創立100周年という大きな節目を迎えます。これもひとえに、先人の皆様が築かれた礎の上に、多くの会員の皆様がたゆまぬ努力を重ねてこられた賜物であり、深く敬意を表するとともに、心より感謝申し上げます。この歴史的な節目に会長を務めさせていただくことに、身の引き締まる思いでおります。多くのイベント等も予定しておりますので,皆様のご参加をお待ちしております。100周年記念事業特設ホームページも設置しましたので,ご覧いただければ幸いです。
 世界的に社会情勢が不安定化しており、経済の先行き不透明感や地政学的リスクの高まり、エネルギー問題の深刻化など、冷凍・空調業界にも少なからず影響を及ぼしつつあります。特に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みやサプライチェーンの変化に適応し、持続可能な技術開発を進めることが喫緊の課題となっています。こうした状況の中で、本学会は産業界・学術界・行政と連携し、技術の進展を支えるとともに、社会の安定と発展に貢献する役割を果たしていく必要があります。
 また、多くの学会において会員数の減少が課題となっており、本学会においても例外ではありません。学会の運営を持続可能なものとするためには、既存の活動の充実に加え、新たな価値を提供し、より多くの方々に学会活動の魅力を感じていただくことが不可欠です。そのためにも、産学官の連携をさらに強化し、研究成果の社会実装を加速させるとともに、若手研究者・技術者の支援を充実させることで、次世代の担い手を育てていくことが重要だと考えております。
 一方で,近年では、大谷翔平選手をはじめスポーツ界での活躍が目立ちますが,ビジネス、学術の分野で個性的な日本人が世界的に活躍する機会も増えています。これは、日本人の勤勉さ,高度な技術力や継続的な努力の成果が国際的に評価されている証でもあります。冷凍・空調技術の分野においても、こうしたグローバルな視野を持ち、世界に貢献できる人材を育成することが今後の重要な課題となります。本学会としても、ベトナムやインド,イタリアの冷凍空調関連学会との新たなMoUも締結いたしました。国際的な交流をさらに促進し、海外の学術・産業界との連携を深めることで、日本の技術と知見を世界へ発信し、さらなる飛躍を目指してまいります。
 100周年を迎えるにあたり、これまでの歩みを振り返りつつ、未来を見据えた学会のさらなる発展に努めてまいります。特に、技術革新の加速、脱炭素社会への貢献だけではなく、次の時代にマッチする学会となるように持続的発展に向けた組織改革や会員サービスの充実を図るとともに、国際的なプレゼンスの向上に注力し、新たな100年に向けた礎を築いていきたいと考えております。
 政府からの要請もあり,法人の公正な運営を促進するため、今期より、外部理事,外部監事を選任することになりました。これらの皆様と、副会長に選任されました渡邉澂雄氏、田中史彦氏、古庄和宏氏をはじめとして50名の代表会員(内 理事 19 名)とともに、学会運営に尽力していく所存ですので、今後も変わらずご協力賜りますようお願い申し上げます。

2025年5月15日 
公益社団法人 日本冷凍空調学会 会長 齋藤 潔