冷凍サイクル(1)

 冷媒が冷凍装置内を循環して行く間に、 各機器内でどのように状態変化し、冷媒に対してどれだけの熱エネルギーと仕事の出入りが なされるかを知る必要があります。
 冷凍サイクルを表したp-h線図がよく理解できれば、冷凍装置内の目に見えない各部の冷媒の様子が見えてきます。 そして、冷凍装置における現象を、p-h線図が語ってくれます。
「上級冷凍受験テキスト」「初級標準テキスト冷凍空調技術」など学会から発行している 受験用テキスト巻末の付録に代表的な線図がついています。

1.p−h線図とは

p−h線図(圧力−比エンタルピー線図)は,縦軸に圧力、横軸に比エンタルピーをとり、 実用上の便利さから縦軸は圧力の対数で目盛られています。 p−h線図には細かい線が沢山あり、その線の意味を理解することが重要です。

p-h線図

例えば、等比体積線というのはその線の上では比体積が同じ値になる線のことです。

下図は簡略化したp−h線図で、その上に冷凍サイクルを書いた例です。
点1〜4はそれぞれ下記を示します。
点1→2間は 圧縮機    での冷媒の状態の変化
点2→3間は 凝縮器    での冷媒の状態の変化
点3→4間は 膨張弁    での冷媒の状態の変化
点4→1間は 蒸発器    での冷媒の状態の変化

2.p−h線図上に冷凍サイクルを書く方法

(問題)
次の冷凍サイクルをp-h線図に書き込みなさい。
使用冷媒
蒸発温度
凝縮温度
膨張弁前液温度
吸入ガス温度
R22
−15℃
30℃
25℃
−10℃

使用冷媒
蒸発圧力
凝縮圧力
過冷却度
過熱度
R22
0.296MPa abs
1.192MPa abs
5℃
5℃

(解答の手順)
(1) 凝縮器の線を引く
飽和蒸気線、飽和液線の30℃目盛りを通る水平線@を引きます。線の長さは後で直します。短かめの方が直すのに楽です。
30℃の凝縮圧力1.192MPa absを通る水平線でも同じです。

(2) 蒸発器の線を引く
飽和蒸気線、飽和液線の−15℃目盛りを通る水平線Aを引きます。 同様に、線の長さは後で直します。
−15℃の蒸発圧力0.296MPa absを 通る水平線でも同じです。

(3) 圧縮機の線を引く
蒸発器の線Aと-10℃等温線との交点(点1)は圧縮機吸込ガスの状態を示します。 点1から等エントロピー線と平行に曲線Bを引きます。等エントロピー線は曲線です。

(4) 膨張弁の線を引く
膨張弁前は25℃の過冷却液だから、ここでは、飽和液線の25℃(点E)を通る垂直線Cを引きます。 線Cと線@の交点3は膨張弁前の状態を示します。
25℃の飽和圧力1.045MPa absから 点Eを求めても同じです。

(5) 図を仕上げる
以上で冷凍サイクルをp−h線図に書き込むことが出来たが、このままでは見にくいので、点1〜4より外の余分な線を消して下図の様に仕上げます。   線図より色々な値を読取ることができます。

冷凍サイクルをうまくp-h線図に書き込めましたか。
この図から比体積(v1)と比エンタルピー(h1、h2、h4)が読み取れます。

(解答)
各点の比体積、比エンタルピ−等は、
比体積  v1=0.08 m3/kg、
比エンタルピ−  h1=403 kJ/kg、 h2=438 kJ/kg、 h4=230 kJ/kg


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